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資本と戦略

「資本と戦略」の研究を初めて2年が経過しました

コンサルの経験は経営に役立つ?

コンサルティング会社を退職し社長業に就任して早3ヶ月。毎日予想しなかったことが起きる目まぐるしい日々を過ごしております。学生時代やコンサルタント時代はDeNAの南場さんなどが良く話している「コンサルタントと経営者に求められる能力は異なる」ということは深く理解出来ていなかったものですが、最近ではその意味が少しわかったような気がします。

 

コンサルタントと経営者にとっての必須スキルの違い

コンサルタントにとっての必須スキルといえば、もちろんテニュア(パートナーやアナリストなど)によって求められるものは違うと思いつつも、ロジックとコミュニケーション(資料、口頭共に)が大きいいかと思います。ファームによってはリーダーシップなど他のスキルにも比重を置くことがありつつも上記2点を外すとそもそも職業として成立しないことすら考えられます。

さて、では周囲を見ていても感じる経営者にとっての必須スキルはと言うと

・ビジョンの設定

・リーダーシップ

この二点が郡を抜いて重要かと思っています。

ビジョンの設定とは「そもそも我々が目指すべき北極星はどこか」を設定することです。リーダーシップとは「あの北極星を目指したいので皆さん一緒に行こう!」と言って人がついていく能力であると考えています。北極星に向かっているチームがあり、最短ルートや低リスクのルートを調査するのはコンサルタントに外注してもよいかもしれませんし、社内で自分よりも分析に長けた人間に渡してもよいかもしれませんが、コンサルタント北極星は教えてくれませんし現場のリーダーではもちろんありません(リーダーの強力なサポーターにはなります)。リーダーシップは社内はもちろんですが社外、つまり採用や営業、提携にも大きく効きます。特に採用は経営者としては最も重要な仕事であり、自分よりも特定の能力が遥かに有能な人間を巻き込むことは会社を育てるためには欠かせません。有能な人には様々なオファーがあり、当然弊社のような中小企業よりも待遇面で良いオファーを受けているはずです。そのような人を誘うのであるからビジョンへの共感を呼べるということは必須。

データは常に足りない

コンサルタントがクライアントに見せる最終資料で軸が切られているが歯抜けになっていたり、情報量に偏りのあるチャートなど許されませんが経営の現場では常に60%にも見たない情報量で判断が求められます。これを80%にしている内にスピードは遅くなりとてもではありませんが間に合いません。外部から入手可能なデータで60%sureを80%sureに引き上げるよりも60%sureでリスクを低く保ちながら施策を実行し、そこで情報を手に入れながら日々計画を修正するという姿勢で行かないと会社が止まります。

コンサルタントを経験していることによるメリット

では、コンサルタントを経験することが意味ないかと言うとそんなことはありません。私が今新卒に戻ってももう一度マッキンゼーに入社するだろう、というくらい、たった10ヶ月ですが意義深い日々でした。得たものを大きく分類すると

・ネームバリュー

東大卒、マッキンゼーというと何やら頭良さそうです、初対面から信頼を掴むまでの障壁を下げることが出来ます。これを否定的に捉える人もいるかと思いますが、あえて経歴を避けて人生をハードモードにする必要はありません。これを目当てに入ったわけではありませんが、予想以上の恩恵です。

パワポ/エクセル

こちらも実は非常に大きいです。社内で丁寧な資料を作って説得というのは無駄が大きいですが、こと外部交渉や投資家向けプレゼンにおいてパワポスキルは絶大。エクセルについてはコスト構造の分析、収益モデリング、顧客分析と大変有用なスキルです、正月も年末もモデリングをした甲斐があった。

・知識/姿勢

戦略プロジェクトばかりやっていたとあって、基礎的なフレームは少々ですが学ぶことが出来ました。5 force、購買決定要因、セグメントの作り方、競争優位性の作り方、市場規模と成長率・・・これらの基礎的な考えてが日々学び、アウトプットにつなげる経験を得ることが出来こちらは戦略を作る上では有用です。そして大きいのは「プロフェッショナルとしての姿勢」。マッキンゼーでは妥協がありません(その分ハードですが)。クライアントプレゼンの前などは最後の一分までクオリティをあげようとする努力はまさにプロフェッショナリズムが染み込んだ集団がなせる技です。ここで磨かれる根性は中々のものでしょう。

 

追加としてこれは「コンサルタント」としてというより「マッキンゼーだから」という部分ですが、マッキンゼーはビジョンが社員一人一人にまで浸透している大変珍しい企業です。Client ImpactとPeople Development、この2つを信じていない人を社内で会ったことがない。多くの企業では理念は形骸化し「株主と顧客の利益を最大化し社員の幸福を作る」であったり「世界を変える」なものになりがちのなか、強い組織というのはこのように出来ているということを内部から見る良い機会でした。

 

何を経験していたら経営者として役に立つのか

私自身がまだ未熟なので、経験しておきたかったこと、と言うのが適切ですがいくつかリストアップすると

・PL責任を持つ事業部長(ミニ経営者ですね)

・営業統括

・エンジニア(テクノロジー中心で起業する場合)

*様々な意見ありますが、最近のIT系企業でテクノロジーが競争力であることは極めて稀です。それよりも他要因で勝っている場合が多い。テクノロジーが強いといったほうが株価がつきやすいのでそういったことを強くは主張しない場合もあるだろうが。

 

ここらへんかな。ただし特にどの経験をしなければならないということはなさそうで、追い詰められて乗り越え続けるという経験さえ続けていればよいのではないだろうか。

 

採用関連の連絡はこちらまで!-> nakamura@sciseed.jp